古代文字って?▼ 第2回 雨水

2015年2月19日

 「雨水」とは降る雪が雨へと変わり、氷が解け出すころ、昔から農耕の準備を始める目安とされたようです。今回取り上げるのは、そろそろ名残の?「雪」と、古代では農耕その物や農地の管理者を表していた「男」の文字です。

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「雪」 甲骨文字

 空から雪のかけらが舞い落ちる形をあらわしています。

 その雪のかけらは、羽の形のように表現されています。
実際に降る雪を見ていると羽毛が舞い落ちてくるように見えますよね。
 古代の人々もきっと同じように感じて、空を見上げていたのでしょう。

 空をあらわす上の部分を見ると、仕切りのような縦の線があります。古代人にとって空は、今私たちが思っているようにどこまでも広がるものではなく、限りのある狭いものと捉えられていたのかもしれません。

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「男」 甲骨文字

 

「田」と「力」を組み合わせた形です。

 「力」は耒(すき)の形をあらわし、農地の「田」と農具の「耒」とを組み合わせて農耕の事を示していますが、古くは農地の管理者を「男」と言ったそうです。



 この作品は、佐賀県唐津市の菜畑遺跡(福岡市の板付遺跡と共に日本で一番古い水稲耕作の遺跡)を訪れた際にインスピレーションがわいて制作したものです。
 縄文人の女性と渡来人の男性が出会った。この渡来人の男性が日本に稲作を伝えたと想定して、その物語を二人の間に生まれた女の子に語ってもらいました。

 上にある大きな文字は、右から「母」「子」「禾(いね)」「男」。

 下部の小さな文字は、『父さんは籾の入った 壺だけを抱えて 仲間たちと舟に乗り 遠い海の向こうから この地へやって来ました ここで母さんと出会い 私が生まれました 今このムラには たくさんの水田があり 青々とした稲穂が 風にそよいでいます』。

 

 女性は、以前から北部九州に住んでいた縄文人、男性は戦火を逃れて、籾の壺を抱え大陸から九州の地にやって来た渡来人です。水稲耕作は、大陸から伝来したとされていますから、おそらくこのような事情で伝わったのだと思います。
 お父さんになった渡来人の彼も、家族のために耕作に精出したことでしょう。


 まだまだ寒いですが、三月に入ると雛祭り、そして啓蟄ですね。虫たちも這い出してきてだんだんと暖かくなっていきそうです。

 

 ポカポカ春の陽気が待ち遠しいですね。
ちなみに一説には「雨水」に雛人形を飾ると良縁に恵まれるといわれているようです。

では、次回は3月6日「啓蟄」の頃に・・・